どこの会社にも大抵「人事」という部門や役割を担っている方がいませんか?

 

仕事柄多くの人事の方ともお話しする機会が多いのですが、何かお高く止まってる風貌を出している人が多い気がします。

 

 

 

まるで

「社員皆の存亡は我にあり」

 

 

 

といったような立ち振る舞いをする方さえおられるちょっとよく分からない自信を持った人が多い印象の部門です。

そんな「人事」というよく分かるようでよく分からないポジションの必要性を役割や能力の面から分析していきたいと思います。

 

 

 

 

 

■自称事務専門職である「人事」の「専門性」とは?

事務職はしばしば「一般事務」と「専門職」に分けられることがあります。人事は社会通念上当然「専門職」というイメージがあるのが現状と感じます。

では、人事の専門性とはなんでしょうか?少し簡単に比較分析してみましょう。

 

 

会計職→会計技術

経営分析職→統計やプログラム技術

SE職→プログラム・ネットワーク技術

 

人事→パワハラ技術

 

といったところでしょうか?冗談です。

「人事≒技術なし」です。

 

 

正直なところ、大抵の事務専門職と言えば「労働効率」「経営分析」などといったところで収益は生まずとも事実上自分の技能を持って会社に貢献できる専門技能を持っています。

しかし、「人事」。ここだけは本当に何を生むのかと日々自問自答です。

 

 

では、本当に人事は専門性のない職務なのか?業務から分析してみようと思います。

 

 

 

■人事の日頃の業務から見た専門性はないの?

人事と言えば「採用」「退職勧奨」「人事考課」「給与処理」「労務処理」「福利厚生」といったところが主業務です。

おおよそ読者のイメージ通りではないでしょうか?

 

 

「採用」→履歴書開いて役員用に候補者リストを作り面接・評価するだけのストレスフリーな簡単なお仕事

「退職勧奨」→いざこざによる裁判が起きやすい嫌な役割。人の不幸は蜜の味である性悪説にのっとれば人の悲しむ姿を見て弁護士に依頼するだけのストレスフリーな簡単なお仕事

「人事考課」→本当は難しいはずが、技能のひとつも分からずとも適当な理由を付けて評価表を社長へぽいっっとするだけのストレスフリーな簡単なお仕事

「給与処理」→たいして技能・知識はいらないが、非常に面倒な処理及びクレームが多い役割。面倒な一般事務処理

「労務処理」→労働法務・社会保険等の深い知識が要求される業務。極めなくても業務は運べるが、唯一専門性と呼べるかもしれない業務

「福利厚生」→社員の働きやすい環境を作るという名目だけのストレスフリーな簡単な業務

 

 

・・・・んー、どれもこれもいまいち他の専門職ほど会社に貢献できているとは思えないです。

しかし、人事は会社でほどほどに高いポジションであることが多いのは何故でしょうか?

 

 

それは、会社という密室の「実情」にあると思います。

 

 

まず、人事の採用業務は人が「面白い」と感じる面が非常に多いと感じます。

それは「人を上から判断できること」「頭を使わない事」この2点に集約できるかもしれません。

 

 

 

例えばですが、経営に関する難しい「統計」などの話をされるのと、単純な「人事」の話、どちらが話していて楽でしょうか?理解できるでしょうか?

 

当然「人事」です。社長や役員に報告するには自分が理解できる内容でないと恐ろしいのは役職者にも当然にあります。

そこで、各部門の役職者にとって専門外の統計の話などは理解が難しいため、報告が簡単な人に関する良い傾向の報告になりがちであり、その結果、人事はどうしても社長や役員、各部門役職者と接する機会が多くなるのです。

すると、人事が頑張っているかのように循環評価されていくのです。

 

 

それだと本当の専門職が不憫だなんて思われるかもしれませんが、これは社会で生きる上で仕方のない現実です。それが嫌なら人事部門へ異動するしかありません。

ある意味、各部門の役職者にとって難しいことから逃げつつ頑張っている風に社長へ見せつける為の逃げ道の一つが「人事」という部門の業務の特異性(専門性)なのかもしれません。

 

 

 

■結論

「人事に専門性はあまり感じられないが会社にとっては必要な部門であり、会社の成長にとって有害な部門にも成り得る」と考えます。

 

専門技能職の技能を理解できずに評価している振りをして点数を稼いでいる人事は人材離れを引き起こし、会社経営に有害である一方、本当に現場を見れる人事が一人いれば現場の専門職員が正当な評価を感じれるようになり更なる成果や人材の定着を起こせるかもしれません。

また、多かれ少なかれ評価を人事にされると思うと人事にあまり逆らうことは良しとしない社員も多いことでしょう。その立場の違いを利用するような無能な人事であれば会社にとって必要ないとも言い切れるかもしれません。

 

 

 

筆者はあまり人事が好きではない事がこの記事からひしひしと感じられるでしょうが、全てを批判したいわけではありません。(専門技能の有無については批判します)

やりがいがあり、結果を具体的かつ抽象的にも残せる職務でありつつも無能を排出しやすい部署であることは間違いないと考えています。

 

 

筆者の実業務での企業内分析にてよく最初に人事に手を付けるのですが、数字にすると人事の無能具合に納得される企業が多いことは確かです。

それも安定企業ほどに保守的になり成果を全く出せなくなる人事が出来上がってしまう傾向にあるように経験から感じます。

 

 

人事は数字では表せないといいますが、収益を生むも生まないも「人」であり、収益性、離職率、人件費などなど大量の数字で成り立つのが企業人です。

この記事を読まれた人事の方、また今後人事を目指される方が、多くの面で頼りにされる「良い人事」となり、いつか業務で討論しあえることを楽しみにしております。